完全主義では、 何もできない。

底辺漫画家の森山まみちのブログです。秋田書店ミステリーボニータにて宮沢賢治の物語「銀のノスタルヂア」を不定期掲載。このブログは漫画の制作日誌です。

銀河鉄道の夜。

 

 

f:id:misatohayashi:20130514144307j:plain

こんにちは!!

 

昨日は関東地方、雷雨と大雨がひどかったですね。!!(*∀*;)

 

三鷹付近のひょうには息をのみました。

 

 

 

 

梅雨の後半は勢いの強い男雨が多いといいますが、男を通り越して、御天とさんがヒステリーでも起こしたかのような不安定な気象には日々おろおろするばかりです。

 

さて、雷といえば。。。

 

先日、NHKオンデマでちょうど2年前に放映された「宇宙の渚」を見ました。

 

宇宙の渚 | NHK宇宙チャンネル

 

長年飛行士の間でささやかれていた、雷雲から飛び出す奇妙な閃光が宇宙空間へ放たれる現象を追ったドキュメントです。

f:id:misatohayashi:20140625172851j:plain

 (画像はウィキぺディアから。2004年7月GHCC撮影)

 

妖精が羽を広げたように見えるため、

「妖精=スプライト」と名づけられました。

 

宇宙と地球のはざまで起こるスプライトの正体は、活発な雷雲によって発生する強力な電子エネルギーだそうです。

 

(ハイ、NHKの説明を受けうりでしゃべっておりますよ・・・(´-∀-))

 

 

今窓の向こうで轟音をならしている神鳴が、空と宇宙を結ぶ電子の噴火の目覚ましだとすれば・・・・。

 

空と宇宙はつながっていて、わたしたちの日常もまた、宇宙の運動と連鎖しているのかもしれませんね。(;゚Д゚艸)

 

 

 

 

前置きが長くなってしまいましたが・・・

 

先週からひつづき、

「あだち区民大学塾 輝き続ける宮沢賢治の魅力~賢治の生涯と作品~」の講座に参加してきました。

 

第3回の今日は「銀河鉄道の夜」。

 

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

 

 

 

賢治さんの童話の中で一番有名な作品でもあり、最高傑作だといわれております。

 

完成度の高さでみると、個人的に「注文の多い料理店」「よだかの星」「春と修羅」が最高傑作だと思っております。

銀河鉄道」は改訂の途中で終わった感が否めません。

賢治さんがもう少し長生きしていたら・・・と思うと切ないですね。。。

 

もちろん銀河鉄道も大好きです。(´∪`*)

映像的に最も美しいからという単純極まりない理由と、多くの賢治作品に通じる、生き物としての弱さ・孤独を内包しているからでしょうか。

 

授業ではジョバンニとカンパネルラはいったい誰をモデルにしたのか、そしてメディア化された銀河鉄道についての内容でした。

 

カンパネルラのモデルは菅原千恵子さんの研究で盛岡高等農林時代の親友、保坂嘉内さんという説があります。

 

宮沢賢治の青春―“ただ一人の友”保阪嘉内をめぐって (角川文庫)
 

 わたしも本著を読みましたが、とても納得させられる部分が多く、賢治さんと保坂さんの友情を超えた愛に胸を打ちました。

 

保坂さんの物語は、作家の江宮隆之さんが書いた「二人の銀河鉄道」という小説もあり、保坂さんからみた賢治さんとの友情が綴られております。

 

二人の銀河鉄道―嘉内と賢治

二人の銀河鉄道―嘉内と賢治

 

 

 

 

絵本も紹介されていました。

 

さすが銀河鉄道・・・アマゾンで検索しても、ざっとこれほど出てきます。

 

銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜

 

 

 

銀河鉄道の夜 (画本宮沢賢治)

銀河鉄道の夜 (画本宮沢賢治)

 

 

 

 

銀河鉄道の夜 (ミキハウスの宮沢賢治絵本)

銀河鉄道の夜 (ミキハウスの宮沢賢治絵本)

 

 

 

銀河鉄道の夜 (宮沢賢治絵童話集 (13))

銀河鉄道の夜 (宮沢賢治絵童話集 (13))

 

 

 

銀河鉄道の夜 (宮沢賢治童話傑作選)

銀河鉄道の夜 (宮沢賢治童話傑作選)

 

 

 

銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜

 

 

 

絵本 銀河鉄道の夜

絵本 銀河鉄道の夜

 

 

 

銀河鉄道の夜 (宮沢賢治童話絵本シリーズ)

銀河鉄道の夜 (宮沢賢治童話絵本シリーズ)

 

 

みなさまの読んだ絵本はどれでしょうか??

 

わたしはミキハウスの金井一郎さんと、東逸子さん押絵の銀河鉄道がとても好きです。

 

東逸子さんの描いたカンパネルラがとってもかっこいいんですよ・・・!!(*´д`*)ハァハァ

 

 

 

著作権の問題があるので、ここで紹介ができないのが無念ですが、検索すると画像は出てくると思われます。

黒マントを羽織っていて、まるでギムナジウムに出てくる少年のよう・・・。

 

 

トーマの心臓」のユーリを彷彿っすよ・・・!!(*´д`*)ハァハァ

 

トーマの心臓 (小学館文庫)

トーマの心臓 (小学館文庫)

 

 

・・・すみません、絵本は息をのむような美しい絵ばかりなのですが、漫画家という職業柄、どうしてもそっち方向で感動してしまうのです・・・。

 

 

ますむらひろし先生のアニメも紹介されていました。

 

銀河鉄道の夜 [Blu-ray]

銀河鉄道の夜 [Blu-ray]

 

 実は制作時、賢治さんの実弟、清六さんから「なぜ猫?」という疑問があがった本作。

(賢治さんは、生前猫があまり好きではなかったようです。

しかし、試写をみたときに、スタッフは清六さんから「兄も喜んでいると思います」との優しい言葉をいただいたそうです。)

 

若干暗くて重い印象を受けるとの言葉もありますが、わたしはこの映画、とっても好きです!

特に活版所で働くジョバンニの孤独感や、街をたったった・・・と走る姿や。

ネコの軽やかな足取りと、それに対峙するどこまでいっても重暗い石畳がよけいにこの作品の死生観を浮き彫りにしているようで、30年近くたった今でも魅せられます。

 

宮沢賢治銀河鉄道の夜 (別冊太陽 日本のこころ 50)

宮沢賢治銀河鉄道の夜 (別冊太陽 日本のこころ 50)

 

 

ケンタウルス祭も素敵・・・。

賢治作品に内包する科学・宗教・人生・イマジネーションやメルヘンすべてがバランスよく演出されている映画ではないでしょうか。

 

 

 

さて、賢治さんは「銀河鉄道の夜」を、4稿まで書き直ししています。

現在私たちが読んでいる「銀河鉄道」は4稿目を最終稿として位置付けて編集されているもの。

 

3稿までと4稿とは、決定的な違いがあり、初期の物語に登場する謎の人物、ブルカニロ博士の存在がそうです。

 

3稿まで重要なキャラクターとして描かれていたブルカニロ博士は、4稿ではばっさりと姿が消え、ジョバンニとカンパネルラの銀河の旅を中心のテーマに据え、改めて書きなおされています。

 

えらそうなことを言える立場では絶対にないし、おこがましいにもほどがあるのですが、個人的な意見では、4稿がいちばん世に受け入れられやすい内容だなあと感じます。

ブルカニロ博士の登場は、なんとなく説教くささが強くでている印象があります。

ブルカニロ博士好きの方、ごめんなさい!!><)

 

ジョバン二とカンパネルラの旅と焦点をしぼったことによって、万人が共通する孤独感や友情、死生観がより鮮明に表に出てきていると思うのですが。。。。

 

賢治作品ほど映像的な表現がしやすい、またはし難いという対立的な構造をはらむ作品はないと常々感じるのですが、「銀河鉄道の夜」の映像化への困難はその最たるものだとも思うのです・・・。

 

 

 ますむら先生は初校~3稿まで登場していたブルカニロ博士を描いた「銀河鉄道の夜」もかかれています。

賢治愛がつまった深い漫画ですね・・・。

この漫画のおかげで、わたしはブルカニロ博士編を知ることができました。

マンガの力は偉大です。

 

 

KAGAYAさんのプラネタリウムも紹介されておりました。

 

銀河鉄道の夜(プラネタリウム版) [DVD]

銀河鉄道の夜(プラネタリウム版) [DVD]

 

 

毎日繰り返しサントラを聴いているほどのファンなので、ちょっとうれしかったです。(*´∀`*)

 

銀河鉄道の夜サウンドトラック

銀河鉄道の夜サウンドトラック

 

 

・・・このように、賢治さんの世界がきらめく楽しい授業でした。

 

最後にサプライズが!!

賢治さんの弟、清六さんが、生前賢治さんが朗読していた語調で「春と修羅」を朗読されたカセットテープを聴かせてもらう幸運に恵まれました!!

 

やったー!!。:.゚ヽ(´∀`。)ノ゚.:。 ゜

 

賢治さんはとても美声の持ち主であったと伝えられております。

しかし、肉声の記録は現時点で残っておりません。

 

同じDNAを持つ清六さんが賢治さんの朗読を再現しているなんて・・・

 

ヴェールにつつまれていた、賢治さんの声が垣間見れる感じ?!((((o゚▽゚)o)))ほくほく 

 

 

そのまえに「春と修羅」の詩を少し長いですが、詩を青空文庫から転載いたします。

 

 

 

春と修羅
  (mental sketch modified)


心象のはひいろはがねから
あけびのつるはくもにからまり
のばらのやぶや腐植の湿地
いちめんのいちめんの諂曲てんごく模様
(正午の管楽くわんがくよりもしげく
 琥珀のかけらがそそぐとき)
いかりのにがさまた青さ
四月の気層のひかりの底を
つばきし はぎしりゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
(風景はなみだにゆすれ)
砕ける雲の眼路めぢをかぎり
 れいろうの天の海には
  聖玻璃せいはりの風が行き交ひ
   ZYPRESSEN 春のいちれつ
    くろぐろと光素エーテルを吸ひ
     その暗い脚並からは
      天山の雪の稜さへひかるのに
      (かげろふの波と白い偏光)
      まことのことばはうしなはれ
     雲はちぎれてそらをとぶ
    ああかがやきの四月の底を
   はぎしり燃えてゆききする
  おれはひとりの修羅なのだ
  (玉髄の雲がながれて
   どこで啼くその春の鳥)
  日輪青くかげろへば
    修羅は樹林に交響し
     陥りくらむ天の椀から
      黒い木の群落が延び
       その枝はかなしくしげり
      すべて二重の風景を
     喪神の森の梢から
    ひらめいてとびたつからす
    (気層いよいよすみわたり
     ひのきもしんと天に立つころ)
草地の黄金をすぎてくるもの
ことなくひとのかたちのもの
けらをまとひおれを見るその農夫
ほんたうにおれが見えるのか
まばゆい気圏の海のそこに
(かなしみは青々ふかく)
ZYPRESSEN しづかにゆすれ
鳥はまた青ぞらを截る
(まことのことばはここになく
 修羅のなみだはつちにふる)

あたらしくそらに息つけば
ほの白く肺はちぢまり
(このからだそらのみぢんにちらばれ)
いてふのこずゑまたひかり
ZYPRESSEN いよいよ黒く
雲の火ばなは降りそそぐ

※(始め二重括弧、1-2-54)一九二二、四、八※(終わり二重括弧、1-2-55)

 

 

 

 

ちなみに、「ZYPRESSEN」は、ドイツ語で「糸杉」をさします。

 

 

f:id:misatohayashi:20140626114311j:plain

(ウィキぺディアより。「星月夜」)

 

 

 

 

 

 

 

 

日本では糸杉は自生しておりませんが、賢治さんが好きな画家であったゴッホの糸杉をイメージして作られたといわれております。

 

キャンパスいっぱいに大気がぬらぬら~と流動しているようなゴッホの霊性は、賢治さんの詩と似ている気がします。

ほんとにここに賢治さんが歯ぎしりしつつ歩いていそう。。。

 

 

さて、この難解すぎる詩をいったいどのように朗読するのか、わくわくしながら聴いたのですが・・・

 

 

 

 

f:id:misatohayashi:20140625164506j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え・・・!! 読経・・・?!(;゚Д゚)

 

 

 

 

 

そこには重く、暗い、まるでお能地謡の声のような重厚な雰囲気を漂わせたお声が・・・!!

(((((( ;゚Д゚)))))ガクブルガクブル

 

 

 

 

 

賢治さんの朗読は、お坊さんの読経によく似ていた・・・!

 

 

 

 

 個人的に、高らかな声で爛々とうたいあげ、春風に舞うひばりのような声を想像していたので、いい意味で期待を裏切られました。

 

それでも重厚な低音の中にも、ささやくような優しく穏やかな声のニュアンスも感じ取られ。

 

また、清六さんが書かれた「兄のトランク」で紹介されていた、東北に伝わる踊念仏の声のような不気味な重さも感じられ。。。

 

あるいは昔の白黒の日本映画で、よく登場人物の感情が盛り上がったときにBGMで流れていた男性のバックコーラスやハミングのようなほの暗さと哀愁も感じられ。。。

 

兄のトランク (ちくま文庫)

兄のトランク (ちくま文庫)

 

 

なんというか、一言ではくくれないお声でした!!(☉∀☉)

 

 

f:id:misatohayashi:20130514145357j:plain

 (画像をクリックすると大きく見えます。

花巻農学校 羅須地人協会にて拙者が撮影。

大正12年新校舎記念に撮影されたもの。前列左から3人目が賢治さんです。

賢治さんの左が「PIG」のあだ名をもつ畠山校長。前列一番左の人物が奥寺先生。)

 

 

 

 

 

写真でも超越した不思議なオーラを漂わせる賢治さん。

清六さんの声は、当時の賢治さんのたたずまいをも感じさせるものがありました。

 

 

 

蛇足ですが、「春と修羅」は、漫画の「花もて語れ」で、主人公のお友達が朗読するシーンがありますね。(*´∀`*)

 

花もて語れ(1) (ビッグコミックススペシャル)

花もて語れ(1) (ビッグコミックススペシャル)

 

 

 

花もて語れ 2 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

花もて語れ 2 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

 

 漫画では主に「やまなし」をテーマに取り上げていました。

登場人物(カニ親子)の位置づけがとても納得する説明で面白かったです。

 

 

 

 

受講後、講師の赤田先生に質問したところ、片付けでお忙しい中快くお答えくださり、感謝いたします。

また先生が所蔵している賢治さん関連の復刻本も持参されており、撮影も許可してくださいました。

賢治さんの著作や愛読していた法華本を、ネットや資料で画像は調べることはできても、実際のサイズがどれぐらいなのか、どのくらいの重さなのかわからなかったので、確かめることができてとても有り難かったです。

赤田先生、雷雨と嵐という悪天候の中遠方からお越しいただき、大変だったと思います。お忙しい中、本当にありがとうございました。

 

 

 

受講後、図書館のエントランスで七夕の笹と短冊が飾られていました。

 

ウルトラマンになりたい」

「金持ちになりたい」

「足がはやくなりますように」

「理科と数学の成績がよくなりますように」

 

 

・・・といった子供たちの素朴な(時に欲深な)お願い事をみてほほえましく感じつつ、わたしも隣にあった短冊コーナーで己の欲をしたためることにしました。

f:id:misatohayashi:20140624162210j:plain

 

慾深ですみません。ええ、もう、切実ですから・・・。

わたしの作家のキャリアは最下層ですからね・・・。

 

名前を書き忘れたのに気づき、あとで書き足しました。

 

 ふう。

長くなり申し訳ありません。

そのような感じで、雷の轟音とともに、賢治さんの世界に思いを馳せることのできた贅沢な一日でした。( ´ ▽ ` )ノ