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下町イーハトーブ。

漫画家森山まみちのブログです。秋田書店ミステリーボニータにて宮沢賢治の物語「銀のノスタルヂア」を不定期掲載。只今育児休暇中。2016年6月より制作再開です。

火曜日でなくても絵本の時間。その六

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うっかり先週の絵本の時間の更新を忘れておりました^^;

というわけで、今日は月曜なんですが絵本の紹介をさせてください。

 

あいもかわらず絵本熱は母子ともども過熱し、(笑

多い時には週に4冊くらい買っています。

金欠の時でも古書を利用です。f^_^;)

 

図書館から借りてくる方法もあるのですが、

子供というのは、ときにページを食べたり(涙

びりびり破いて遊んだりするので恐ろしくて借りれません。Σ(・□・;)

(破損の場合は弁償になるんですよね~。当然ですが。)

 

今は保育園から帰って、夕食を食べさせるまでのあいだと、

夜寝る前が絵本の時間になっています。

わたしが子供との遊びの中で、唯一「ちゃんとやっているかな」と

思えるのが絵本の読み聞かせぐらいなので、

この習慣は続けてゆきたいです。

 

 

というわけで、今回の紹介はこの2冊。

テーマは「おかあさん」で。

 

 

 

おこりんぼママ

おこりんぼママ

 

 

 

ドイツの作家さんの絵本です。

ある日、ペンギンお母さんがおもいきり「ぼく」をどなります。

おこられた「ぼく」は、あまりのショックで体中がバラバラになり、

頭や、手や、くちばしが地球のあちこちに飛び散ってしまう・・・

という奇想天外なストーリー。

 

よけいな脚色もなく、過度な装飾もなく、抒情的な表現もあえてそぎ落しているのは

ドイツの作家さんならではですね。

ドイツの映画などをみていても、ルポ小説を読んでいても、ある事実をなんの装飾もなく淡々と描くものが多いのです。国民性なんでしょうか。

 

それゆえ、この本は子供のほうがストレートに入りやすく、

大人のほうがいろいろ考えさせられるのではないかなあ・・・

とも思いました。

こどもの絵本はときに大人には理解しがたい設定やストーリー展開がでてくるのですが、この本もそんな本です。

 

表紙もとてもいいデザインだと思います。

 

爆弾のように吹っ飛ぶなどあまりに唐突なお話なので、

わたしは最初面喰いましたが、親にこてんぱんにどなられた子供の衝撃は、

まさに体中が吹っ飛ぶようなものかもしれません。

 

実はまだこの本がいったいなにを表現しているのか、

わたしにとってはグレーゾーンでつかみきれていないのです。

(あまりに淡々としているため)

何度も読み返すうちになんらかの色合いを深みをもって帯びてくる・・・

そんな期待を感じさせる本です。

 

 

 

よるくま

よるくま

 

 

大好きな酒井駒子さんの絵本。

まだ画風が確立する直前に出版されたものなので、色彩がやわらかく、

「星の王子様」っぽい絵柄です。

 

ある夜、ぼくはお母さんに語りかけます。

「昨夜ぼくのところに「よるくま」がきたんだよ」と。

 

よるみたいにまっくろくろの「よるくま」。

 

「よるくま」はお母さんを探しに来て、ぼくもいっしょに探したけれど、

どこにもお母さんはいない。

公園をさがしても、おうちにもどって探しても、お母さんはどこにもいない。

 

「よるくま」はとうとう泣き出してしまいます。

お母さんにおいてゆかれた孤独がやがて漆黒の闇にかわってゆく。。。

 

アマゾンでは「暗いイメージ」とも評されている本作ですが、

この作品は夜の静けさと孤独、そのなかで感じ取れる母親の温かさが

まるで手で撫でるように感じ取れます。

母親とよるくまの鼓動、お母さんに撫でられる手の温かさは薄い闇夜では、

よけいやさしく敏感に感じ取れることでしょう。

なので、この作品は「暗さ」こそがキーの物語だとわたしは思っています。

 

 

また、本著は保育園に預ける子供と働くお母さんとの関係を

示唆している部分もあります。

 

お母さんはよるくまをおいて、働きに出ていたのです。

 

漆黒の中で、お母さんをみつけたときの「よるくま」の

「おかあさん!おかあさん!どこってたの?」

とさけび泣きじゃくる顔は

わたしが娘を保育園にお迎えにいったとき、泣きながら抱きついてくる娘の表情とかぶります。

顔をぐしゃぐしゃにして泣くんですよね。

あのシーンはじんとくる。

 

お母さんくまがよるくまを抱いて、

 

「ああ あったかい。 おまえはあったかいねえ。

きょうはこのまま だっこしてかえろう」

 

という言葉がでてくるのですが、

母親の気持ちを見事に表現した名フレーズだと思います。

 

酒井駒子さんはうまいなあ・・・・

そんなわけで、働く母に、本著はとてもお勧めです。