招きの福猫

漫画家の森山まみちのブログです。秋田書店ミステリーボニータにて宮沢賢治の物語「銀のノスタルヂア」を不定期掲載。このブログは漫画の制作日誌です。

~棟方志功の世界~を見て。

最近、棟方志功の「板極道」を眠る前に読んでいます。

 

 

板極道 (中公文庫)

板極道 (中公文庫)

 

 

実は、宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」初版の押絵も担当していた棟方さん。

生前、両者は最後まで会ったことがありません。

 

 

 

 大正15年、川上澄生の「初夏の風」に感銘を受け、

「わだばゴッホになる!」と決意し、

ひたすら木の中に宿る魂を彫りつづけた鬼才。

 

 

棟方志功 いのちを彫る (アートセレクション)

棟方志功 いのちを彫る (アートセレクション)

 

 

 

 

 

もっと知りたい棟方志功 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたい棟方志功 (アート・ビギナーズ・コレクション)

 

 

 

棟方志功の原風景

棟方志功の原風景

 

 

 

写真・棟方志功 (1972年)

写真・棟方志功 (1972年)

 

 

 

昔から谷崎潤一郎の小説の押絵をみていて、棟方さんの作品は好きでしたが、

最近とても気になるのは彼の制作風景を追った動画を見てしまったから。

 

 

 


棟方志功の世界(昭和45年放送)

 

このドキュメント、すごいですよ。

随分昔の放送でダイジェストですが、実際はもっと詳しく放映されています。

アップしてくださった方に感謝感謝!!(涙

 

詳しい内容はこちらのサイト様のリンクへ。

 

棟方志功の世界

 

 

極度の近眼で右目が失明、板に目を押し付けるように、

とにかく尋常ではないほど速くせわしなく一心に彫りつづけるさまは・・・・

 

もう、なんといっていいのか・・・・・

 

芸術の、森羅万象の神というものがいるのなら、

彼は素晴らしい憑代なのでしょう。

 

 

「私の板画というのは、そうですね、自分から作るというのではなく、板の中に入っているものを出してもらっている。

作るというより生まして貰うと言うんでしょうかね。」

 

 

その言葉通り、彼の制作風景は「何かが降りている」気がしてなりません。

 

よく締切ぎりぎりまでネームができない漫画家とか、

なんちゃってアーティスト(失礼)の人たちがぐだぐだやった末、

「アイデアが降りてきたア!」というシーンがありますが、

ああいうなまっちょろいものではないですよ。(笑

 

研ぎ澄まされた、何物も近寄りがたい張り詰めた空気感。

 

棟方さんはいつでもそのスイッチが入る人。

なので、作品作りは驚異的なスピードだったそうです。

 

 

彼が大好きだったゴッホもこのように、なにかが憑りついたかのように

描いていたのかもしれません。

 

 

作品作りを志すものにとっては、この映像は本当に衝撃的でした。

大体おおくの創作者は、悩みながら、何度もやり直しながら、のたうちまわりながら

立ち戻りながら書いては消しながら作っているので。

 

こうも「視えるように」迷いなくよどみなく作れるものかと。

 

同時に、このドキュメントをみて、自分の作品への向き合い方がいかに

ゆるいか身につまされましたね・・・・。

 

今まで自分は、ほやほやと動画聴きながら心ここにあらずで、

いかに心の声に無視して作品を作っていたことか・・・・・。

 

巨匠と比べることこそおこがましいですが、

 

仕事へのあり方。

作品への無私のたたずまい。

霊感。純粋さ。自然、森羅万象への畏怖。

この世とあの世との一体感。

自己確立。生への執着。魂の躍動。

神への愛情。

 

 

・・・・・棟方さんの世界をみて、本当にいろいろ考えさせられました。

 

 

棟方志功宮沢賢治

生前二人は知り合うことはなかれども、同じような魂の持ち方だったからこそ、

作品という形で賢治も棟方さんもつながったかもしれません。

(勝手に解釈していますが、お二人とも性格は違えども、

とても魂の気質がよく似ています)

 

 

もし、自分の作品への行きづまりで悩まれている方がいましたら、

是非見てみてください。

 

きっと、なにか熱いものがこみあげてくると思います。