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下町イーハトーブ。

漫画家森山まみちのブログです。秋田書店ミステリーボニータにて宮沢賢治の物語「銀のノスタルヂア」を不定期掲載。只今育児休暇中。2016年6月より制作再開です。

クリスマスは絵本の時間 その18 大好きなバーバラ・クーニー編

火曜日は絵本の日。

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今日は大・大好きなバーバラ・クーニーさんの絵本の感想をお話させてください。

 

バーバラ・クーニーさんはアメリカを代表する画家、絵本作家です。

 

1917年生まれで、1959年に「チャンクテイときつね」、

1980年に「にぐるまひいて」でコールデコット賞

1983年に「ルピナスさん」で全米図書賞を受賞。

2000年に惜しまれつつ亡くなっております。

その画業は多作で豊か。

 

彼女の描く絵は色彩感覚がずば抜けて素晴らしく、

一枚一枚小道具にいたるまで愛情を持って描かれた優しい絵は、

牧歌的で読者をほっと和ませてくれます。

 

物語の時代背景を自ら調べ、塾考して、それぞれの物語に合わせて、

画材や画風を変えていることでも有名。

木に絵を描いたり、シルクの上に石膏を塗って、

アクリル絵の具、パステル、クレヨンで描いたり、

色々な画材を使用して作品の世界観をより高めています。

 

バーバラクーニーさんを知ったのは最近のことですが、

その絵の雰囲気の温かさに惹かれ、ちょこちょこ買い足しています。^ ^

娘に読ませるのはまだ早いので、今は自分用として。

 

以下、有名な絵本を読みました。

小さな感想です。

あくまで個人的感想なのであしからず。

 

 

にぐるまひいて

にぐるまひいて

 

★★★★★ 

 

時代は前世紀のアメリカ。

とある田舎に住む家族の一年の手仕事を描いた傑作。

 

お父さんが羊の毛を刈り取り、お母さんがそれを紡ぎ、ショールを織る。

娘はお母さんが紡いだ糸で手袋を編む。

手作りのろうそく、あまから育て仕上げたリンネル。

息子が自分のナイフで作った白樺のほうき。

カエデの樹液をにつめてにつめてとったカエデ砂糖。

蜂蜜と蜂の巣。

 

畑で育てたじゃがいもやかぶ、そしてりんごの樽。。。。

 

一年かけて家族みんなが作った品物を牛の荷車に詰めて、

ポーツマスの街へ売りに行くお父さん。

それらを売ったお金で、また次の一年の仕事道具と、

家族へのささやかなお土産を買って、帰路へ着く。

 

これらの過程が淡々と、じっくりゆっくり描かれているのですが、

なんというか、感動します。

昔はみんなこんな風に生業をつづけて生きていたんだなあ。。。と。

 

今では信じられない生活。

けれど、子供にとって、かつてこうやって暮らしていた人々の

この絵本を知っているのといないのとでは、

世の中の見方の深さが随分違うのではないかしら。。。

 

ローラインガルスの「大草原の小さな家」を

ちょっと思い出してしまいました。(^_^;)

成長した我が子にも是非読んでほしい本です。

 

 

 

 

ルピナスさん―小さなおばあさんのお話

ルピナスさん―小さなおばあさんのお話

 

 

★★★★★

 

大人になったからこそ、沁み入る絵本。

 

文章もクーニー自身が手掛け、彼女の最高傑作の一冊です。

 

少女のアリスはおじいさんと一つの約束を交わします。

 

世の中をもっと美しくするために、なにかしてもらいたいのだよ

 

アリスは成長し、図書館の司書として働き、色々な国を旅行する

自立した女性に成長しました。

そして幼い頃描いていた夢の通りに海の近くに住み始めます。

 

でも、しなくてはならないことがもう一つある。

そう、おじいさんと交わした約束。

 

でもどうやって❓

 

そのあと、背中の痛みでずっと寝て過ごさなくてはならなくなったアリス。

 

春も夏も秋も寝たきりになっていたとき、彼女の目にとまったものは。。。。

 

 

一人の少女が、成長し、羽ばたき、年老うまでの豊かな一生を

優しい眼差しで追った作品。

 

個人的に、白髪になったアリスのそばで一緒に飼われているオウムの

絵が素敵です。^ - ^

 

特別な人間ではない普通の人間でも、世の中を美しくできることは

いつだってできることを教えてくれます。

 

 

 

エミリー

エミリー

 

 

★★★★★

 

この絵本に登場するエミリー・デイキンソンは

19世紀に実在していた女性の詩人です。

ご存知のかたもいらっしゃるかと。

 

隠遁癖が強く、25年間お家から出なかったそうな。

現代でいうならば引きこもりの(当時)無名作家。。。

 

知らない大人には姿を見せませんでしたが、実は庭仕事が好きで、

子供が好きでクッキーをあげたり、子供達のお喋りを笑って聞いていたそうです。

 

とても不思議な女性。

そんなエミリーに会う1人の少女のお話。

 

少女はエミリーのお家の向かいに住んでいて、

お母さんはピアノを弾いています。

そんな少女のお家のドアに、ある日一通の手紙が投げ込まれます。

 

 

おとなりさんへ

 

いまのわたしはこの花のよう

あなたのかなでる曲で、

わたしをいきかえらせてください。

 

 

一緒にブルーベルの押し花が入っていました。

 

 

手紙の主はなぞの女性、誰にも姿を見せない、あたまがおかしい人、と

街で噂されているお向かいの家のエミリー。。。

 

少女のお父さんはブルーベルをみていいます。

 

 

なんてきれいなんだ。

だけど、とてももろい花なんだよ

 

 

なぞの女性ってどんな人。。。❓

パパ、あのひとさみしくないのかしら。。。❓

 

 

  

お母さんは少女を連れて、エミリーのお宅へピアノを弾きに

伺うことになりました。

 

 

物語も、登場人物の物腰も空気感もとても晴朗で美しく、

19世紀のニューイングランドの世界に入り込める

完成度が高い作品。

 

エミリーと少女の静かな触れ合いに、ちょっとうるっときたり。

出会いはほんの一瞬だけど、その一瞬が本人の一生のものの

考え方を後押ししてゆくのだなあ。。。とも感じました。

 

バーバラクーニーの絵も当時の雰囲気にぴったりハマっていて、

まさに完成形を見せられた感じでしょうか。。。。

クーニーの作品にかける絵の真摯さを、どの絵本でも強く感じるのですが、

特に「エミリー」ではその想いがとっても強く感じます。

何か通じるものがあったんでしょうか。

 

とにかく、すべてがとても美しい本です。感動。

 

 

ちなみに、日本語訳は「フランバーズ屋敷の人びと」を訳された掛川恭子さんが

されています。

 

 

フランバーズ屋敷の人びと(全5冊) (岩波少年文庫)

フランバーズ屋敷の人びと(全5冊) (岩波少年文庫)

 

 

 

 

 

空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)

空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)

 

 

★★★

 

空がレースにみえる ビムロスの夜は

とくべつのパーティに参加できるわ

 

ビムロスとは綺麗なもやみたいな雲のこと。

そんな空、見たことある❓

 

ビムロスの夜にはかわうそたちがひとばんじゅう歌うのよ。

 

 

。。。。。こんな具合で文章は進んでゆくので、

空想するのが大好きな瑞々しい感性の持ち主ならば

楽しめれると思います。

私はついてゆけませんでした。涙

ビムロス❓なぜに急にカワウソが登場❓

枯れたオバハンには突っ込みたいところばかり。。。(^^;;

つまらない大人になったなあ。。。。自分。。。。

 

 

意味不明の物語展開で流し読みしたくなるものを、

バーバラクーニーの抜群のセンスの挿絵のせいで

注視せざるを得なくなります。

 

とくに月夜にネグリジェ姿で出て行く少女たちの姿は、とても綺麗‼️

クーニーの画力によって成功した絵本。(ごめん)

 

 

 

どこへいってた?

どこへいってた?

  • 作者: マーガレット・ワイズブラウン,バーバラクーニー,Margaret Wise Brown,Barbara Cooney,うちだりさこ
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  • 発売日: 1996/05
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★★★★

 

1歳児の娘の読み聞かせに購入。

猫や馬、うさぎに魚にカラス。。。

 彼らがどこにいってたかをテンポよく唄った絵本。

出てくる動物がとっても多い。

銅版画かな❓黒と赤の押し絵で構成されているところも素朴で素敵。

 

文章を担当したマーガレットワイズは「おやすみなさいおつきさま」でも

有名ですね。

 

 

おやすみなさいおつきさま (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

おやすみなさいおつきさま (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

  • 作者: マーガレット・ワイズ・ブラウン,クレメント・ハード,せたていじ
  • 出版社/メーカー: 評論社
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オーパルひとりぼっち

オーパルひとりぼっち

 

 

★★★★

 

ものすごく悲しい本です。

1900年代初頭、お父さんとお母さんが天国へいってしまい、

孤独になったオーパルという少女が5歳から6歳の時につけていた日記

をもとに作られた絵本。

オーパルという少女も実在し、描かれている内容も実際にあったことです。

 

オーパルはオレゴン州の木を切り出す仕事をしていた一家族と

生活をともにするのですが、少女の目線で、当時の情景が淡々と

かたられます。

 

お友達はネズミのメンデルスゾーン

カラスのポルセナ。木のラファエル。

目の見えない女の子。

 

残酷版「赤毛のアン」という感じでしょうか。。。

すごい悲しいんですが、少女の空想と自然の友達との交流を

読んで、まだ救われるっていう。。。涙

 

けれど、目が離せない、次のページが気になるくらい、

クーニーの手がけた作品の中では埋もれがちですが、

見逃せない異色の絵本だと思います。

 

 

 

エマおばあちゃん

エマおばあちゃん

 

 

★★★★★

 

個人的に一番のお気に入り。座右の絵本です。

 

エマおばあちゃんは一人で暮らしています。

話し相手は猫の「かぼちゃのたね」

おばあちゃんは飾らないことが好きで、

雪を眺めたり、のんびりとくつろいで遠いふるさとの

夢をみるのがすきです。

 

そんなおばあちゃんを子供や孫たちは

「かわいそうなおばあちゃん。もうお年だものね」

と影で笑います。

 

72歳になったお誕生日に、みんなからお祝いに

ふるさとの小さな村の絵をもらいました。

 

おばあちゃんはその絵を見て思います。

 

「とってもきれいだこと。

。。。でも、あたしがおぼえているむらとはまるでちがうわ」

 

おばあちゃんは大決心をして、

イーゼルとキャンパス、絵の具と筆を買って、

自分がおぼえている村の絵を描くことにしました。

 

その日から、おばあちゃんは窓辺に座って、

たくさん、たくさん、それはたくさん絵を描き続けます。

 

72歳。

第二の豊かな人生を描いた傑作。

のどかな物語の雰囲気に、バーバラクーニーの絵がぴったり‼️涙

たくさんの絵に囲まれたおばあちゃんと、クーニー自身の

生き様にぴったり重なり合わせてみえました。

 

読んでいてとても幸せになる本です。

絵を描くことが好きなかたには、とくに響くのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 以上、長々と失礼しました‼️

ここで紹介している本のほとんどは、大人が読んで響く作品だと

思います。

クーニーが押し絵を手がけた作品はまだまだたくさんあるので

ちょこちょこ買い足してゆこうと思っています。^ ^

 

 

さて。。。。

 

次の絵本の紹介で、今年の絵本の時間は最後となります。

 

 

嬉しいことに、今年は素晴らしい絵本の世界にたっくさん出会えました。

 

正直、絵本がここまでわたしに感動と喜び、

人生に対する深い考察を与えてくれるとは思いもよりませんでした。

きっかけを与えてくれた娘に感謝。

 

これからまだまだ出会えていない物語があると思うと、

とてもワクワクします。

 

 

今夜も眠る前に、絵本の扉を開きます。

 

 

メリークリスマス‼️

 

 

 

 

 
 

 

 

オーパルひとりぼっち

オーパルひとりぼっち

 

 

 

エマおばあちゃん

エマおばあちゃん